「犬を家族に迎えたい」と思ったとき、思い浮かべるのはペットショップやブリーダーでしょうか。
けれど近年、“保護犬”という選択肢に注目が集まっています。
保護犬を迎えるというのは、命をつなぐ大切な行為であると同時に、迎えた後の暮らしに大きな意味をもたらしてくれます。
今回は、保護犬の基礎知識や、失敗しない里親探しのポイント、心の準備までをわかりやすくまとめてお届けします。
目次
1. なぜ今、保護犬を迎える人が増えているのか
1-1. 社会的背景と犬の飼育意識の変化
ここ数年、メディアやSNSでも「保護犬」という言葉を見かける機会が増えました。
背景には、ペットブームの裏側で増加した“飼育放棄”や、“殺処分ゼロ”を目指す各地の取り組みがあります。
また、犬を「モノ」として“買う”時代から、「家族として迎える」という意識への転換も進んでいます。
保護犬を迎えることは、命に責任を持つ行動として、広く社会に浸透しはじめているのです。
1-2. 保護犬との暮らしにある“特別な意味”
過去に傷を負った保護犬は、人の優しさや愛情に対して、とても敏感に応えてくれることがあります。
信頼関係が築けたときの絆の深さは、何ものにも代えがたい感動があります。
「この子が、心を開いてくれた」
そんな瞬間は、一生忘れられない思い出になるかもしれません。

「こむぎ」を迎えたときにはペットショップ経由でしたが、もし次のご縁があるなら、命に向き合う“もうひとつの道”として、保護犬も選択肢にしたいと考えています。
2. 保護犬を迎える前に知っておきたい“現実”
2-1. 保護犬の多くは過去に傷を負っている

保護犬の中には、虐待を受けた経験や、繁殖に使われていた過去がある子もいます。
そのため、吠えやすい、怯える、トイレを失敗する…といった“問題行動”が見られることもあります。
けれど、それは犬が悪いわけではありません。
人の都合で傷つけられた心を、また信じてくれるまでには、「時間と愛情」が必要なのです。
2-2. 費用も意外とかかる?里親=無料ではない
「保護犬=無料」と思われがちですが、実際にはワクチン接種、避妊去勢手術、マイクロチップ登録などの費用を一部負担するケースがほとんどです。
また、トライアル期間の交通費や、事前講習の受講が求められる場合もあります。

「保護犬=かわいそう」というだけでは、続きません。
暮らしを共にしていく“パートナー”として、冷静に準備することが大切です!
3. 保護犬の里親になるまでの流れ
3-1. まずは譲渡会や保護団体の情報収集から

最近は、インターネットやSNSで地元の保護団体や譲渡会の情報が簡単に見つかります。
団体によって譲渡条件や審査の流れが違うので、複数比較して、信頼できるところを選びましょう。
初対面で「この子だ!」と感じても、いきなり譲渡されることはありません。
見学・説明会・書類提出など、きちんとしたプロセスがあるのが普通です。
3-2. 審査・面談・トライアルで信頼関係を築く
譲渡前には、飼育環境の確認や面談が行われます。
仕事や家族構成、住宅事情など、細かな点も聞かれるため、「なぜこの犬を迎えたいのか」をしっかり伝える準備が必要です。
トライアル(試し飼育)を設けている団体も多く、実際に一緒に暮らしてみてから本譲渡へ進む流れが一般的です。

面談に参加した知人は「犬をただ“譲る”のではなく、その子の未来を本気で考えてくれていた」と話していました。
迎え入れる側も覚悟をもって向き合うことが大切です。
4. 失敗しないための心構えと準備
4-1. 家族全員の同意と協力体制を確認

「私が世話をするから大丈夫」と始めても、家族の誰かが不満を持っていると、犬にも伝わります。
保護犬は特に、安心できる空気を感じ取って行動します。
迎える前には、家族全員でしっかりと話し合いましょう。
4-2. 心と時間に“余裕”がある時期に迎える
仕事や引っ越し、家庭の変化が重なる時期は避けた方が無難です。
迎えた初期は、生活リズムの調整やトレーニング、病院通いなども発生する可能性があります。

最初は“うまくいかない”のが当たり前。
焦らず、寄り添うことで、少しずつ「信頼」が育っていくものなんですね。
5. おすすめの保護団体・譲渡会の探し方
5-1. 地域名+「保護犬 譲渡会」で検索
- 「広島 保護犬 譲渡会」
- 「福岡 保護犬 団体」などで検索してみてください。
「ペットのおうち」「OMUSUBI」などのマッチングサイトも充実しています。
5-2. SNS・ブログで実際の譲渡事例をチェック
InstagramやX(旧Twitter)で「#保護犬を家族に」などのハッシュタグ検索をすると、実際に譲渡された方の声や保護団体の活動記録が見られます。
団体の“雰囲気”も伝わってきやすいので、事前に確認しておくと安心です。

私も、こむぎを迎える前に「この子にとって、私たちの家が本当に幸せだろうか?」と何度も自問しました。
保護犬を迎えるということは、その問いをもっと深く考えることなのかもしれません。
まとめ|命を迎えるということは、人生を共にすること

- 保護犬を迎えるという選択は、特別な経験になる
- ただし感情だけで動かず、冷静な準備と家族の同意が不可欠
- 傷ついた犬の“信頼”が得られたとき、かけがえのない絆が生まれる

この記事が、誰かの心の背中をそっと押せたら嬉しいです。
「保護犬と暮らす」という選択肢が、もっと自然で温かいものになりますように。