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【獣医師監修】犬が胃液を吐く原因を徹底解説!愛犬の嘔吐、もしかして病気?

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愛犬が時々、「ゲッ…」と黄色い液体を吐くことはありませんか?その瞬間、私たちは大きな不安に襲われます。「もしかして、何か深刻な病気なのではないか?」「このまま放っておいても大丈夫なのだろうか?」と。

実際、犬が吐くという行為は、飼い主にとって非常に心配なものです。そこで今回は、獣医師監修のもと、犬が胃液を吐く原因について、より深く、そして分かりやすく解説していきます。
この記事を通して、愛犬の嘔吐に直面した際に、慌てずに、そして適切に対応できるようになることを目指しましょう。

1. 犬が吐く胃液ってどんなもの?

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まず、犬が吐く「胃液」とは一体何なのでしょうか。
私たちは、吐いたものの色や状態を見て「胃液だ」と判断することが多いですが、具体的にどのような特徴を持つのでしょうか。

一般的に、犬が吐く胃液は、透明、白い泡状、黄色、または薄い緑色をしています。その状態は、液体または泡状であることが多く、特に強い臭いはしないのが特徴です。これらの特徴が見られる場合、吐いたものが胃液である可能性が高いと言えます。

しかし、注意しなければならないのは、吐いたものに血が混じっていたり、普段とは明らかに違う異臭がする場合です。このような状況は、深刻な健康問題のサインである可能性が高いため、自己判断は非常に危険です。
すぐに動物病院を受診し、獣医さんの診断を受けるようにしてください。

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私も、初めて愛犬が黄色い液体を吐いた時は、かなり心配しました。獣医さんに電話で相談したところ、「よくあることだよ」と言われて、少し安心したのを覚えています。

2. 犬が胃液を吐く原因

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さて、犬が胃液を吐く原因ですが、これには大きく分けて「生理的な原因」と「病的な原因」の2つのカテゴリーが存在します。
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

2-1.生理的な原因

生理的な原因とは、病気というよりも、一時的な体の反応によって起こるものです。
つまり、犬の体が何らかの理由で、一時的に「吐く」という行動に出た、ということです。

空腹時間が長い

犬は、人間と同じように、空腹状態が長く続くと胃酸が過剰に分泌されます。
この過剰な胃酸が胃を刺激し、吐き気を引き起こすことがあります。
特に、朝方や夜間など、食事の間隔が長時間空いてしまう時間帯に、この現象が見られることが多いです。

食べ過ぎや早食い

一度に大量のフードを摂取したり、フードをほとんど噛まずに飲み込んでしまう早食いは、胃に大きな負担をかけます。
その結果、胃が正常に機能しなくなり、吐いてしまうことがあります。

乗り物酔い

犬も人間と同じように、車や電車などに乗ると、乗り物酔いをすることがあります。
乗り物酔いによって、吐き気を催し、吐いてしまうことがあります。

ストレス

犬は、環境の変化や騒音、飼い主との別れなど、様々な要因によってストレスを感じます。
このストレスが自律神経のバランスを崩し、吐き気を引き起こすことがあります。

2-2.病的な原因

一方、病的な原因とは、何らかの病気が原因で起こるものです。
つまり、犬の体が「病気」という状態にあるため、「吐く」という症状が出ている、ということです。

胃腸炎

胃や腸の粘膜に炎症が起こる病気です。嘔吐だけでなく、下痢や食欲不振、元気消失などの症状も見られることがあります。
胃腸炎は、細菌やウイルスの感染、食物アレルギー、異物の摂取など、様々な原因によって引き起こされます。

異物誤飲

犬は好奇心旺盛な動物です。そのため、おもちゃやビニール袋、小さな雑貨などを誤って飲み込んでしまうことがあります。
これらの異物が胃や腸を刺激し、吐き気を引き起こすことがあります。

中毒

殺虫剤や洗剤、農薬、チョコレート、玉ねぎなど、犬にとって有害なものを口にしてしまうと、中毒症状として吐いてしまうことがあります。
中毒の場合は、嘔吐以外にも、よだれ、震え、痙攣など、様々な症状が現れることがあります。

膵炎

膵臓に炎症が起こる病気です。
膵炎は、激しい嘔吐や腹痛、発熱などの症状を引き起こすことがあります。

腫瘍

胃や腸に腫瘍ができると、消化機能が正常に働かなくなり、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。
腫瘍は、良性のものと悪性のものがあり、悪性の場合は、他の臓器に転移する可能性もあります。

その他

腎臓病や肝臓病、子宮蓄膿症など、他の病気が原因で吐いてしまうこともあります。
これらの病気は、嘔吐以外にも、食欲不振、多飲多尿、黄疸など、様々な症状を引き起こすことがあります。

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病的な原因の場合は、早めに獣医さんに診てもらうことが非常に大切です。そのため、愛犬の様子がいつもと違うと感じたら、迷わず専門家である獣医さんに相談するようにしましょう!

3. 嘔吐の色と原因

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さらに、嘔吐の色は、その原因を特定する上で、非常に重要な手がかりとなります。
なぜなら、嘔吐の色によって、ある程度の原因を推測することができるからです。

透明、白い泡状

このような嘔吐は、唾液や胃液が主な成分です。空腹時間が長い場合や、軽い胃の炎症の場合に見られることが多いです。
例えば、朝食前に愛犬が白い泡を吐いた、という場合は、夕食から時間が経ちすぎているのかもしれません。

黄色、薄い緑色

この色の嘔吐は、胆汁が含まれていることを示しています。胆汁は、肝臓で作られ、脂肪の消化を助ける液体です。
空腹時間が長い場合や、胃腸の動きが悪い場合などに見られることがあります。

茶色

茶色の嘔吐は、胃や腸で出血している可能性を示唆しています。これは非常に危険なサインです。
すぐに動物病院を受診し、適切な処置を受ける必要があります。

血が混じる

嘔吐物に鮮血や黒っぽい血が混じっている場合も、胃や腸の粘膜が傷ついている可能性が高いです。
こちらも、早急に動物病院を受診する必要があります。

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嘔吐の色は、獣医さんに伝える際に、非常に重要な情報となります。そのため、愛犬が吐いてしまった場合は、吐いたものの色をよく観察するようにしましょう。

4. こんな時はすぐに動物病院へ!

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愛犬が嘔吐した場合、ほとんどの場合は、しばらく様子を見ることで落ち着きます。
しかし、以下のような様子が見られる場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。なぜなら、これらの症状は、重篤な病気のサインである可能性があるからです。

何度も吐く

何度も吐く場合は、脱水症状を引き起こす可能性があります。
また、胃腸炎や異物誤飲など、深刻な病気が隠れている可能性もあります。

ぐったりしている

嘔吐に加えて、愛犬がぐったりとしている場合は、体力が消耗している状態です。
早急に獣医さんに診てもらう必要があります。

食欲がない

嘔吐だけでなく、食欲もない場合は、何らかの病気が原因で、体調が著しく悪化している可能性があります。

下痢をしている

嘔吐と下痢が同時に見られる場合は、胃腸炎などの感染症や、中毒などが考えられます。

血を吐く

嘔吐物に鮮血や黒っぽい血が混じっている場合は、胃や腸の粘膜が傷ついている可能性が高いです。

けいれんしている

嘔吐に加えて、けいれんが見られる場合は、脳神経系の異常や、中毒などが考えられます。

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愛犬の様子を注意深く観察し、「いつもと違う」と感じたら、早めに獣医さんに相談することが、愛犬の健康を守る上で最も重要なことです。少しでも不安を感じたら、迷わず獣医さんに連絡するようにしましょう!

5. 胃液を吐く時の対処法

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愛犬が胃液を吐いてしまった場合、その原因によって対処法が異なります。

5-1.生理的な原因の場合

食事の回数を増やす

空腹時間が長いことが原因の場合は、1日の食事回数を増やし、1回の食事量を減らすことで、胃酸の過剰分泌を抑えることができます。

フードをふやかす

フードを水やお湯でふやかすことで、消化しやすくなり、胃への負担を軽減することができます。

消化の良いフードを与える

消化の良いフードに切り替えることで、胃腸の働きを助け、吐き気を抑えることができます。

ストレスの原因を取り除く

愛犬がストレスを感じている場合は、ストレスの原因を取り除くようにしましょう。
例えば、静かな環境で休ませたり、スキンシップをとったりすることが効果的です。

5-2.病的な原因の場合

すぐに動物病院を受診する

何度も吐く、ぐったりしている、血を吐くなど、病的な原因が疑われる場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。

獣医さんの指示に従って治療を行う

獣医さんの診断に基づいて、適切な治療を行うことが大切です。
薬物療法や点滴、手術など、様々な治療法があります。

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愛犬が吐いてしまった時、その原因が分からない場合は、自己判断で対処せずに、獣医さんに相談するようにしましょう。獣医さんに正確な状況を伝え、適切なアドバイスを受けることが、愛犬の健康を守る上で最も重要です!

まとめ|愛犬の嘔吐、原因を正しく理解して適切に対応しよう

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今回の記事では、犬が胃液を吐く原因について、詳しく解説しました。

愛犬が吐いてしまうと、飼い主としては、とても心配になりますよね。

しかし、嘔吐の原因を正しく理解し、適切な対応をすることで、愛犬のつらい症状を和らげ、安心して過ごせるようにサポートすることができます。

もし、愛犬の嘔吐に関して、何か不安なことや疑問に思うことがあれば、いつでも獣医さんに相談するようにしましょう。獣医さんは、あなたの心強い味方です。

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私たち飼い主の愛情と適切なケアが、愛犬の健康と幸せに繋がります。皆さんと愛犬が、これからも笑顔で、楽しく、そして健やかに毎日を過ごせるように、心から願っています!

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