普段、自然にやっている「こっちだよ」という指差し。
しかし、実はこれを理解できる動物はほとんどいません。
そして、この特別なコミュニケーションを人間と交わせる唯一の動物――それが「犬」です。
この記事では、犬が持つ驚くべき能力について、やさしく紐解いていきます。
目次
1. 指差し理解とは何か?

まず、そもそも“指差し理解”とはどんな能力なのでしょうか?
実は、人間にとってもとても高度な行動であり、動物界ではかなり珍しい現象なのです。
1-1. 指をさす=情報を伝える行為
指差しは、「見てほしい方向に注意を向けさせる」という、単なるジェスチャー以上の情報伝達行動です。
たとえば、何かを拾ってほしい、道を示したいなど、意図が込められています。
1-2. 人間でも幼児期にしかできない難しさ
実は人間でも、生後1歳くらいになるまで指差しを理解できません。
つまり、指を差す側と、指される側の間に共通認識が必要な、非常に高度な能力なのです。

こむぎはアジリティの練習をしていた時期がありますが、アジリティは基本指差しで指示します。それを理解できるってすごいことなんですね!
2. なぜ犬だけが指差しを理解できるのか

それでは、なぜ犬は指差しを理解できるのでしょうか?
ここには、犬の進化の歴史と深い関わりがありました。
2-1. 遺伝子レベルで人間との共進化
犬は、オオカミの時代から人間のそばで暮らし、「人間の意図を読む」能力を選択的に進化させてきたと考えられています。
つまり、人とコミュニケーションする力そのものが、生き残るために重要だったわけです。
2-2. 他の動物(オオカミ・チンパンジー)との違い
オオカミやチンパンジーといった知能の高い動物ですら、指差しを理解するのは極めて難しいとされています。
これに対して、犬は人間が自然に出すジェスチャーを直感的に理解できるのが大きな特徴です。

人間が犬を選んだんじゃなくて、犬も人間に合わせて変わってきたんだと思うと、すごく胸が熱くなります。
3. 犬が指差しを理解するメリット

指差しができることは、犬たちにとってどんなメリットがあったのでしょうか?
人と犬の関係を振り返りながら考えてみましょう。
3-1. 狩猟時代からのパートナー関係
犬は、人間と一緒に狩りをする中で、目線や指示を瞬時に読み取る能力を進化させたと考えられています。
指差し理解は、共同作業をスムーズに進めるために欠かせなかったのかもしれません。
3-2. 現代の生活での賢い活用例
現在でも、介助犬や警察犬、災害救助犬など、人間の指示を敏感に読み取る犬たちが活躍しています。
指差し理解があったからこそ、これほど深いパートナーシップが築けたともいえるでしょう。

目と指先だけで通じ合える瞬間があると、「ああ、やっぱり犬って特別な存在なんだ」と心から思います。
4. 愛犬ともっと「指差しコミュニケーション」してみよう

せっかく犬がこんなすごい力を持っているなら、もっと活用したいですよね。
日常の中で楽しく「指差し」を取り入れる方法をご紹介します。
4-1. 指差しゲームのやり方
- おやつを左右どちらかの手に隠す
- 指をさして「こっち!」と誘導
- 正解したらたっぷり褒める!
こうすることで、遊びながら理解力を高めることができます。
4-2. 絆を深めるトレーニングアイデア
- 散歩中に「こっちだよ」と指をさす
- 家の中でも「おもちゃ取って」と指差し指示
日常的に取り入れることで、言葉以上のコミュニケーションが生まれていきます。

こむぎとの指差し遊びは、お互いの呼吸を合わせるような感じがしてすごく楽しい時間です。
まとめ|犬は、指差しを理解できる“奇跡のパートナー”

「指差しを理解する」
――それは、単なる芸ではなく、人と犬の間にしかない特別な絆を象徴するものかもしれません。
犬たちは、何万年もの間、人間のそばで生きるために、“人を信じる力”を進化させてきました。
愛犬と目が合うたび、指をさして伝え合えるたび、その奇跡を、もっと大切にしていきたいですね。

愛犬に指差しの指示が通じると心が通っているようで嬉しいです!
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