春になると、愛犬の毛がやたらと抜け始めた…なんてこと、ありませんか?
実はこの「抜け毛」、犬にとって自然な生理現象=換毛期です。特に春は、寒さに備えて生えていた冬毛がごっそり抜けて、家中が毛だらけになることもあります。しかし、これは決して異常なことではなく、犬の体が季節の変化に対応している証拠です。
とはいえ、「家の掃除が大変」「服が毛まみれになる」「愛犬がかゆそう」と悩む飼い主さんも少なくないはずです。だからこそ、しっかりとケアを行えば、愛犬も飼い主も快適に春を迎えることができます。
さらに、適切なアイテムを活用することでケアの効率もぐっとアップします。
この記事では、春の換毛期に起こる体の変化や、やっておきたい日々のケアについて詳しく解説していきます。
目次
1. そもそも「換毛期」とは?

1-1.犬にも「衣替え」がある
犬の換毛期は、春と秋の年に2回訪れると言われています。春には冬毛が抜けて夏毛に生え変わり、秋にはその逆の現象が起こります。これは、人間でいうところの“衣替え”のようなもので、自然のリズムに則った大切な体の調整なのです。
とくにダブルコート(柴犬・ゴールデンレトリバー・ポメラニアンなど)の犬種は抜け毛が非常に多く、ひとつまみどころか手のひら一杯分の毛が一度に抜けることもあります。換毛期が本格化すると、毎日掃除しても追いつかない…なんてことも珍しくありません。
1-2.なぜ春に抜けるの?
それは、犬が「日照時間の変化」を感じ取っているからです。春になると日が長くなり、体が「暑さに備えて毛を減らそう」と判断し、自然と冬毛を手放し始めるのです。この反応は本能的なもので、犬が長年の進化の中で獲得してきた、重要な生理反応だといえます。
加えて、暖房などの室内環境によっても多少の違いはあるものの、外の光や気温の変化に敏感な犬ほど、しっかりと換毛期のサイクルを刻んでいる印象があります。

うちのこむぎ(ジャックラッセル)も春になると、毎朝ブラシにごっそり毛がつきます…。「まだこんなに残ってたの!?」と驚く日々です。
2. 換毛期のケア、何をすればいい?

2-1.毎日のブラッシングで抜け毛対策
換毛期にもっとも重要なケアといえば、やはりブラッシングです。特に春は、毎日行うくらいの気持ちで取り組むことをおすすめします。
というのも、ブラッシングを怠ると、死毛が皮膚に残って通気性が悪くなり、皮膚トラブルの原因になってしまうからです。
また、定期的なブラッシングは、血行促進やマッサージ効果もあるため、愛犬にとって気持ちの良い時間にもなります。
加えて、スキンシップの時間にもなるので、信頼関係の構築にも一役買ってくれるのです。
おすすめブラシ
さらに言えば、ブラシの種類によって効果や使い心地は大きく異なります。
たとえば、スリッカーブラシは毛を根元からしっかりとほぐせますし、ラバーブラシは肌への負担が少なく、敏感肌の子にも安心して使えます。どのブラシが愛犬に合っているか、口コミやレビューを参考に選ぶと良いでしょう。
2-2.シャンプーは「タイミング」が大事
続いて意識したいのがシャンプーの頻度です。抜け毛が増えると「さっぱりさせたい!」という気持ちになりがちですが、実際にはやりすぎ注意。なぜなら、皮膚を守っている皮脂まで洗い流してしまうと、バリア機能が低下し、かえって皮膚トラブルを引き起こすことがあるからです。
目安としては月に1回程度。ただし、臭いや汚れが気になる場合は、皮膚に優しいシャンプーを使って頻度を調整するのも良いでしょう。
また、シャンプー後の乾かし方にも注意が必要です。生乾きのまま放置してしまうと、菌が繁殖しやすくなります。タオルでよく拭き取り、ドライヤーで完全に乾かすことを習慣にしましょう。
2-3.掃除もセットで考えよう
抜け毛の季節は、部屋の掃除も重要です。床だけでなく、ソファやベッド、カーテンなどにも毛が付着します。
そのため、掃除機やコロコロ、空気清浄機の活用が欠かせません。
また、室内での服装にもひと工夫を。
例えば、毛がつきにくい素材の服を着るようにすると、洗濯の手間も減りストレスも軽減されます。

うちでは、ロボット掃除機を起動して朝の散歩に行くのが毎日のルーティーンです。
3. こんなときは病院へ

3-1.ただの換毛期ではないかも?
抜け毛が増えるのは換毛期の特徴ですが、「異常な抜け方」をしている場合は、注意が必要です。
たとえば、以下のような症状が見られる場合は、皮膚病や栄養不足、ストレスなどの可能性も考えられます。
- 地肌が透けて見えるほど抜けている
- 赤みやフケ、かゆみが強く出ている
- 部分的に毛が抜け落ちている
このような状態が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。
換毛期と自己判断して放置すると、症状が悪化することもあるため、念のためプロの診断を仰ぐことが大切です。
まとめ|愛犬の“春支度”は抜け毛ケアから

春の訪れとともに始まる、愛犬の「毛のリセット」。
抜け毛は決してネガティブなものではなく、体が季節に適応している証でもあります。とはいえ、放置してしまうと家の中も愛犬の体も不快になりがちです。
だからこそ、日々のブラッシング、適切なシャンプー、こまめな掃除を通して、愛犬との暮らしをより快適にしていきましょう。さらに、ブラシや掃除アイテムなど便利なグッズを取り入れることで、ケアの時間をもっと楽に、そして楽しくすることができます。

ブラッシングもいぬへの愛情表現です。うちの子はブラッシングを嫌がりますが、なんとか奮闘しながらやってます笑