エッセイ・つぶやき こむぎとの思い出や日常 飼い主としてわたしらしく

「ああ、いまがいちばん幸せかもしれない」

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ソファに腰を下ろしたのは、GWの最終日、たしか夕方前くらいのこと。
洗濯も終わって、晩ごはんの下ごしらえも済ませて、ソファに座ってふぅっと息をついた瞬間でした。

こむぎが、どこからともなくやってきて。
わたしの脚の前でちょこんと立ち止まって、
「ここ、いい?」とでも言うように見上げてきました。

そのまま、ぴょん、と腿の上に飛び乗ってきて、
すっぽりと身体を丸めて、しばらくすると……すう、すう、と寝息が。


その寝息があまりにやさしくて、
わたしの太ももに触れているこむぎのおなかが、あたたかくて。

ふわりとした毛並みが、指先にちょうどよくて、
夕暮れに近づき少しひんやりし始めたなか、なんとも言えないぬくもりを感じました。


スマホの通知も、テレビの音も、今はいらないなって思いました。
膝の上で眠るこの小さな存在が、
何よりも大切なことを教えてくれている気がして。

なにか特別なことが起きたわけでもなくて、
記念日でも、お祝いでもなくて。

でも、こういう“なにもない日”が、
実はわたしの宝物なんだなって、最近よく思います。


ああ、いまがいちばん幸せかもしれない。
そう思える瞬間が、こうしてまたひとつ、
今日という日に積み重なっていきます。


こむぎが静かに眠っているあいだ、わたしもそのまま束の間のお昼寝。
なにげない日常の中に、たしかにある幸せ。
きっとまた明日も、このぬくもりに会いたくなるんだと思います。

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